教員養成改革はどこへ向かう?

 中央教育審議会 教員の資質能力向上特別部会 基本制度ワーキンググループ報告「教職生活全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」(2012年4月18日) を読む http://www.u-gakugei.ac.jp/~jaue/_src/sc518/05shiryo11-04.pdf  タイトルだけで目まいをおこしそうな、この報告は、2010年に中教審のなかに作られた特別部会により、学校教員養成改革の基本的な方向性として示された最新版である。民主党政権発足時のマニフェストに書かれた教員養成「6年制」という制度案が最終的にどうなるか、多くの大学関係者が固唾をのんで見守っていた報告である。  一読した限り、今すぐ法改正はあり得ないだろう、6年制議論はしばらく続くだろうが・・・・・という印象だ。落としどころというか、具体的にどうなるのかは、2011年1月に出された同特別部会の審議計画...

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女子が女子校で学ぶ意義

川畑智子「イギリス:女子のみの学級の効果」『教育』2012年5月号、114-115頁 を読む  たしかに(?!)女子学生は真面目だと思う。その特性は、女子校と共学校で違いがあるか。生まれながらの「女らしい」特性なのだろうか。こうした問いを漠然と抱いていたのは、もちろん私だけではなかった。イギリス、エセックス大学の研究者が、「女子のみの学級の女子は成績がよい」との調査報告を出しているとのこと。 IZAのサイトより↓ http://www.iza.org/en/webcontent/publications/papers/viewAbstract?dp_id=6133  川畑の紹介によると、同大学の特定の講座を(1)女子のみ、(2)男子のみ、(3)男女混合 の3群で分割実施したところ、(1)の平均点は7.5%も上昇したそうだ。参加学生には、調査仮説は知らされていない(だから、女子クラスだからが...

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教師として時間を守るということ

2010年10月付で、東京都教育委員会が「小学校教諭教職課程カリキュラム」なるものを公表した。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr101014s/pr101014s_4.pdf 大学での教員養成は改善が必要だ、だからこのようなカリキュラムをやるように、という大学へのお達し。学生が教育実習にいくと、実習校の先生に学生の評価表を書いていただくが、この「カリキュラム」では、校長先生が大学教員を評価するフォーマットまで付いている。実習生をちゃんと指導しているか、実習校を2回以上訪問したか、などを「評価」される…。 このカリキュラムのなかに、小学校教員に求められる教養として、「社会のルールと人との約束や時間を確実に守ること」といった「社会人としての常識を身に付ける」ことが目標として掲げられたくだりがある。ここまで書くのか…と辟易とさせられたが、ここまで...

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生みの親、育ての親

 ビルマ、NLDの選挙圧勝、おめでとうございます! http://digital.asahi.com/articles/TKY201204020376.html  中学生の頃、父の仕事の都合でイギリス郊外の街で1年過ごした。父の同僚の奥さまがスーチーさん。アジア系の新参者の私たちにあたたかく接してくれた。華やかな色彩の花模様のファブリックいっぱいで香が焚かれた部屋で、花びらいっぱいのケーキをいただいたりした。可憐な花々がそのまま似合う方だった。  ご主人や年下なのにやたらしっかりした息子さんに社交は任せて自らは家事専念、のような控えめな方だが、「アウンサン将軍の娘」と誇りを持って名乗られていた。すでに他界されたご主人には車がない我が家のために荷物を運んでいただいたり、親切にしていただいた。何も恩返しができないまま、忸怩たる思いがある。  はたから見えるようなあたたかい家庭に恵まれなかった私...

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困難事例としての保護者対応(その2)

 昨日は『教職研修』の、「困難事例」と言える保護者対応の記事(それも、公立中の校長先生がご執筆・・・・・)に触発されて書いた。大学でも、保護者とより良い関係を築くことが必至である。もとい、学生がいれば保護者がいる。ただ、今日では「見守る」保護者だけでなく、二十歳前後となった子どもの一挙一動に一喜一憂し、一緒に登校することもいとわない保護者が増えたと言えるだろう。  前任校の苦い思い出。中高のように「校務」がしっかり割り振られた短大で、私は学生委員会の万年委員。教務以外の学生生活に関する業務をこなした。謝恩会のコーディネイトも仕事のうち。で、謝恩会の当日、華やかな保護者グループが受付に・・・・・。  都心の老舗一流ホテルで、夜の謝恩会。会費は2万円強。保護者グループは、「親が参加する場合の会費」と思いこまれていたようで、この日のためにホテルに泊まり、ドレスアップして会場にいらしたのだ。  当...

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困難事例としての保護者対応

 現在の定期購読紙は時事通信社のニューズレター『内外教育』と教育開発研究所の『月刊教職研修』。いつの間にかかなり渋めとなってしまった。特に後者は、学校の管理職の先生方向けで、管理職選考の対策(過去問など)も毎回掲載されている。「創刊40周年」とのことでおめでとうございます。  その『教職研修』は、居並ぶ校長先生や大学教員(元教師が多そう・・・・・)が「胆力と信頼が大切だ」などと気合い論(?)を述べたりしているが、コテサキの(?!)ノウハウもかなり読み応えがある。  例えば「保護者対応」という連載ものの2012年4月号のお題は「困難事例2:『利得追求型』」。いわゆる「モンスター」対策だが、その名も「困難事例」。さらに今号は「利得追求型」として、クレームによって金銭等の「利得」を要求する保護者に、管理職として毅然と対応するための箴言集となっている。  かわいい(!)クレーマーではない。事例では...

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民間学童保育の憂鬱

前田育穂、杉原里美「学童保育に企業続々」『朝日新聞』2012年3月23日朝刊 を読む  民間企業の運営する学童保育。ときにセレブ学童と呼ばれる、ちょっとリッチなサービスだ。この記事では「キッズデュオ」や「キッズベースキャンプ」などの事例あり。前者は英会話、後者は新年度より学習塾と連携した講座を始めるとのこと。その他、水泳クラブも参入しているらしい。いずれも送迎バスや「おやつ」、夕食など、痒い所に手が届く。  民間参入は、目くじらを立てる必要はないと、私は考える。むしろ、積極的に待機児童解消に結びついてほしいと思う。もちろん、内容・質の保証は大前提だ。   …しかし、ここが問題。提供されるプログラムは(おそらく)文句なく良質だ。例えば、この記事で紹介されていた英会話教室のある学童は、日本語禁止で、講師はネイティブ。だが、放課後に「ただいま!」と「帰る」場所が学童...

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ビミョウな難聴の子ども

小坪遊「早めの補聴器、広がる言語力:軽・中等度の難聴の子」『朝日新聞』2012年2月19日朝刊 を読む  重度でない、難聴の子ども。早く見つけて、早くケアしてほしいと願う。微妙に聞こえない。そこが問題だからだ。  記事で紹介されているとおり、補聴器をつけていた年数と言語能力は、大いに関係があると思う。語彙という知識、それから、語彙をフル回転させて、それを楽しむ力。あらゆる意味で、早めのケアが重要だ。  そのケアを支える自治体の対応も重要。記事では、補聴器の購入補助制度を導入している都道府県、指定市のリストも。障害者手帳が交付されない軽・中程度の難聴児の場合、補聴器は全額自費となる。デジタル補聴器は数十万、最新の機種は100万するものも。自治体が独自に補助制度を設けていることは素晴らしいと思う。ぜひ全国で、というより、子どもに対しては国の施策として、ぜひ進めていただきたいと思う。全国で、「モ...

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PTAの掟

前田育穂・堀内京子「PTA:上〈どうする?〉」『朝日新聞』2012年1月15日朝刊 を読む http://digital.asahi.com/articles/TKY201201140378.html  PTAは、保護者と教職員で組織される社会教育関係団体。だから、PTAの入退会は、実は任意。この記事では、そうしたPTAの原理原則と(表がとても分かりやすい)、全国で繰り広げられる悲喜こもごもの事例が紹介されている。  教育制度の授業の参考資料にしたところ、学生に大好評。母親が役員だった(保護者会の欠席裁判!など)、プール開放の当番を手伝った、といった体験談で盛り上がった。そう、当たり前のように普及しているPTA。実質的には学級委員や保体など、保護者に均等に割り当てられる役職の一つと認識されているのでは。だから(?)、試験でも「校務分掌」の一部として回答してしまう学生は多い・・・・・。  誰...

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友チョコと便所飯

堀内京子「バレンタインデー:友チョコ過熱 親は困惑」『朝日新聞』朝刊、2012年2月5日号 を読む  タイトル、ちょっと食べ物とそぐわなくて申し訳ない・・・・・ですが、根源は一緒の問題だと思いますのであえて。  朝日新聞「教育」ページの特集は、バレンタインデーの「友チョコ」。2月14日は、女子が男子にチョコレートを初々しく手渡し・・・・・というより、女子同士で明るく交換し合うイベントに変わってきているのではないか、そうした傾向は小学生女子にも浸透・・・・・という趣旨である。  この記事で紹介された江崎グリコの調査で、小学生女子がチョコを渡す相手のトップ(8割弱)が「父親」という結果にほっとさせられた(?)が、「女子の友人」という回答が7割強と肉薄。オトナの女子の「友チョコ」が低年齢化した、というような解説付き。 http://www.ezaki-glico.com/release/2012...

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